住野よるさんの作品
初めて「君の膵臓を食べたい」を読んで、そのあと「よるのばけもの」を読んで、3作品目にこの「また、同じ夢を見ていた」を読みました。
私がこの作品がとても好きになりました。
なんとなく手に取った本ですが、主人公の少女とその少女の周りの人間たちとのやりとりを描いたストーリーに引き込まれていきました。
少女は周囲の人間より考え方が少し違って大人びていて、それでいて少し周りの人間を下にみてしまうような態度をとったりする小学生です。
その少女の同級生の桐生くん。
ある時から家に通うようになっているアバズレさん。
とある建物でであった南さん。
そして木の家に住んでいて、お菓子を作るのが上手なおばあちゃん。
これらの登場人物を中心に物語は進んでいきます。
それぞれの人間との不思議な距離感が気になりつつも、読み進めに行くにつれて少しずつその正体が見えてきます。
「幸せとは何か。」というテーマについて授業で考えることになった少女を眺めながら、読んでいる私たちもそういったことをちょっと考えさせられるような内容です。
ただ、そういう倫理的なことを考えて終わるわけではなく、そこに異質な雰囲気を投下
して、それさえも一つの物語として終始つながっている世界観がとてもきれいだなと思いました。
主人公の少女だけでなく、おばあちゃんや南さん、アバズレさん、みんなに好感が持てました。
少し不思議な夢を見ているような感覚に引き込んでくれたこの本は、自分にとってもとても大切な本だと感じました。
全然関係ないことですが、大学院の寮に入ることができないというお知らせが最近届いて、人生だなあ~と感じているところです。
悪いことは重なるな。苦しい日々は続くのだ。
賃貸を急遽探す必要が出てきて、さらにその分家賃がかさんでしまうことを受け入れるのに少し時間がかかりそうですが、そんな暇もないので早めに物件探しと、遠方なので内見ができないのは仕方ないとして、覚悟して4月に向けて準備していきたいです。