野に居るべし

ほぼメモ帳

2023/12/06_"お金のいらない国"_長島 龍人(著)を読んだ

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お金という概念が必要ない世界で暮らすと人々はどうなるのか。
タイトル通り、お金がない国で暮らす人々の生活を体験できるお話。
最初は資本主義と言った言葉であったり共産主義という言葉が頭の中に思い浮かんだ。
けど共産主義とはいってもお金がないというわけではないのかな。
社会主義共産主義の違いとかも、毎回調べても忘れてしまう。
そういう言葉を思い浮かべながら、読み進んでいった。
この本をそもそも手に取ったのは、とりあえず何かしら読み終えることができる本を読もうと思って、すごく薄いサイズの本だったことが理由だった。
すごいシンプルなテーマながらも、現代の資本主義の社会、お金にとらわれている自分たちのことについて考えさせられる内容だった。

 

 

 


ネタバレ含む

 

 



最後に主人公は元いたお金のある国、お金のある世界に戻る。
そこは騒がしくそして人の態度も険しい。
戻る直前にお金のない国は天国のことであるというようなことを示唆する文章がある。
これはつまり、そんな世界は存在しないということを現実的には言われているような気がした。
この本の中ではお金のない国というのはあくまでも理想の国というものであって、死んだ後にしか行けない天国のような、簡単には行くことのできない、到達することのできない領域だと思った。
ただ主人公は、戻ってきたお金のある国で、ウェイトレスの人にコーヒーを乱暴に置かれても、以前よりは腹が立たなくなっている。
お金が存在しない国で経験したことが、主人公にとって大きな考え方の変化、現実の受け止め方の変化につながっているように感じた。
そしてこの本を通して、主人公と同じように私もお金のない国というものを想像することができた。
薄い本ではあったけど、短い時間で違う異世界を体験できたような気がする。
シリーズがあるみたいなので他の作品も読んでみたいな。